#人材育成
2025/07/31

1on1ミーティングシートの書き方!作るメリット・運用のコツなど

人材データの一元管理を実現し、あらゆる人事施策の実行をサポート

目次
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部下との1on1ミーティングを効果的に進めたいけれど、何を話し合えばいいのか、どう記録すればいいのか悩んでいませんか?適切な1on1ミーティングシートを活用すれば、部下の成長を促し、信頼関係を深める有意義な時間に変えることが可能です。

本記事では、実用的な1on1ミーティングシートのテンプレートから、エクセルでの作成方法、効果的な書き方まで解説します。また、質問項目の選び方や記録の活用法も紹介します。

効果的な1on1ミーティングシートの作成ができれば、次の1on1ミーティングから部下が前向きに参加し、互いの成長につながる対話を実現できるでしょう。

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1on1ミーティングシートとは?目的と重要性

1on1ミーティングシートの基本概念と現代のマネジメントにおける重要性を解説します。

目的や重要な理由を知り、単なる記録ツールではなく、部下との信頼関係や成長支援を促進する実践的な手段として、1on1でミーティングシートを効果的に活用しましょう。

1on1ミーティング シートの目的

1on1ミーティングシートは、上司と部下の対話を構造化し、部下の成長支援に焦点を当てたコミュニケーションを実現するためのツールです。従来の人事評価面談が上司主導で評価を行う場であるのに対し、1on1は部下が主体的に課題解決や能力開発に取り組む時間になります。

主な目的は、対話の質を高めることです。内容の可視化や記録の蓄積により、継続的なフォローアップもしやすくなります。

以下に、効果的な1on1ミーティングシートに含めるべき主な項目をまとめました。

<効果的な1on1ミーティングシートに含める主な項目>

  • 日時や参加者名などの基本情報

  • アジェンダ(話すべきテーマや優先事項)

  • 目標(短期・長期)

  • 前回のアクションアイテムの振り返り

  • 業務上の課題や障害

  • 成果や気づき

  • 上司からのフィードバック

  • 今後のアクションや対応方針

ミーティングの目的や部下の状況に応じて、必要な項目を取捨選択・調整すると効果的です。

また、上司だけでなく部下にも発言権があると、当事者意識が高まり、シート自体へのエンゲージメントも向上します。Excelなどで作成されたテンプレートを用いると、運用の一貫性を保ちやすく、継続的な対話の質向上を期待できます。

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1on1ミーティング シートが重要な理由

現代の変化が激しい労働環境において、1on1ミーティングはコミュニケーションの促進や個人の成長支援、エンゲージメント向上に欠かせない手段になります。その中でも、ミーティングシートの活用は対話の質を高めるうえで重要です。

シートを適切に運用すると、1on1は単なる雑談の延長ではなく、人材育成のための戦略的な対話へと進化します。たとえば、Excelなどのツールで記録を残せば、部下の進捗や課題を体系的に追跡でき、客観的な評価や能力開発の根拠にもなるでしょう。

また、記録を継続することで次のような変化を時系列で可視化できます。

<ミーティングシートにより時系列で可視化できる内容>

  • 課題解決力の向上

  • スキル習得の進捗

  • モチベーションの推移

さらに、シートの共有は、上司と部下の信頼関係の構築にも効果的です。期待や行動を明確にし、互いの約束やコミットメントを確認できるため、責任の所在が明らかになります。

複数の部下のシートを分析すれば、チームや組織全体の傾向や課題、研修ニーズなども把握できます。

1on1ミーティングシートを活用する7つのメリット

1on1ミーティングシートを活用すると得られるメリットは、以下の7つです。

<1on1ミーティングシートを活用する7つのメリット>

  • 対話の質が向上する

  • 準備時間を短縮できる

  • 話した内容を記録として残せる

  • 認識の違いを防げる

  • 部下の成長を可視化できる

  • 1on1の質を一定に保てる

  • 人事評価の際も活用できる

メリットを理解すれば、​​1on1が単なる形式的な業務ではなく、部下の成長を支援するための戦略的な対話の場へと変わるでしょう。

対話の質が向上する

1on1ミーティングシートが会話のロードマップとして機能すると、重要なテーマを見落とすことなく、バランスの取れた対話が可能になります。

とくに、事前にオープンクエスチョンを準備しておくと、部下は自分の考えを整理しやすくなり、内省が深まります。「何」「どのように」「なぜ」で始まる問いを中心に構成されたシートは、自由な発言を促し、本音を引き出すのに効果的です。

以下にオープンクエスチョンの例を挙げました。

<1on1ミーティングシートのオープンクエスチョン例>

  • 最近の業務で達成感を得たことは何ですか?

  • その成功要因をどう分析していますか?

また、効果的なシート作成のポイントは、クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)を最小限にし、内省や自己発見につながる内容を多く含めましょう。

また、健康、モチベーション、業務進捗、成長、キャリアなど、複数の視点をバランスよく取り入れることで、多角的な対話が生まれます。

準備時間を短縮できる

標準化された1on1ミーティングシートをExcelなどで作成しておくと、毎回の準備にかかる時間と労力を削減できます。フォーマットがあらかじめ決まっているため、議題をその都度考える必要がなく、テンプレートとして再利用すれば、基本的な質問項目の作成も省略可能です。

部下に以下の内容を事前に記入してもらうと、上司はそれを確認するだけで準備が完了します。

<1on1で部下に事前確認する内容>

  • 今回話したいこと

  • 前回からの進捗

  • 新たな課題

事前確認すると時間短縮でき、必要なフォローアップを検討する余裕が生まれます。

また、複数の部下と1on1を行う上司にとっても、シートの標準化は効果的です。一貫性のある対話を保ちつつ、個別の状況に応じた柔軟な対応が可能になります。

話した内容を記録として残せる

1on1ミーティングシートは対話内容や決定事項、アクションアイテムを正確に記録できる点です。人間の記憶は時間とともに曖昧になるため、記録を残すと認識のズレや誤解を防ぎ、決定内容の確実な遂行につながります。

たとえば「次回までにプレゼン資料のドラフトを作成する」といったアクションアイテムを記録しておけば、次回の1on1でのフォローアップも確実です。記録は時系列で蓄積され、部下の成長のプロセスを可視化する貴重なデータにもなります。

シートをExcelで管理すれば、日付順に整理・保存でき、過去の内容も簡単に参照可能です。以下のポイントを実践してみましょう。

<1on1ミーティングシートをExcelで管理する際のポイント>

  • 記録は簡潔かつ具体的に書く

  • 事実に基づいて記載する

  • 「誰が・何を・いつまでに」の要素を明記する

  • 後から見返しても内容を正確に思い出せるようにする

ポイントをおさえれば、後から見返しても内容を正確に思い出せます。

認識の違いを防げる

1on1ミーティングシートを活用すると、上司と部下の間の認識の違いや誤解を未然に防げます。同じ会話を聞いていても、立場や経験、価値観によって受け取り方や解釈が異なる場合はよくあります。

とくに、目標設定、期待値、フィードバックなどの重要な要素について認識のずれがあると、業務パフォーマンスや信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。1on1ミーティング シートに明確に記録し、双方で確認することで、このような認識の違いを早期に発見し修正できます。

たとえば、上司が「もう少し主体的に業務に取り組んでほしい」というフィードバックを行った場合、部下は「より多くの仕事を引き受けるべき」と解釈するかもしれませんが、上司の真意は「既存の業務でより自分で判断して進めてほしい」かもしれません。シートにフィードバックの具体的な内容と期待される行動変容を明記し、双方で確認することで、このような解釈の違いを防げます。

とくに重要な決定事項やフィードバックについては、具体的な言葉で詳細に記録することが大切です。

部下の成長を可視化できる

人の成長や変化は日々の積み重ねによって生まれるため、短期間ではその全体像が見えづらいこともあります。しかし、1on1の記録を時系列で蓄積すると、スキルの向上や課題への取り組み、目標に対する進捗を客観的に把握できるようになります。

たとえば、プロジェクト管理に関する1on1記録を半年間蓄積すれば、課題、取り組み、成長の変化が明確になります。

この成長過程を見える化するためには、以下のポイントをおさえます。

<成長の過程を見える化するポイント>

  • 日付を記録し、時系列で比較できるようにする

  • 過去の記録を四半期や半年ごとに振り返る

  • 上司と一緒に確認する機会を設ける

  • 達成感を共有し、次の成長意欲につなげる

成長過程が見えると部下が自身の成長を実感するきっかけとなり、モチベーション向上にもつながります。

1on1の質を一定に保てる

標準化された1on1ミーティングシートを活用すると、上司の経験や個人差に左右されず、組織全体で一定水準の質を保った1on1を実施できます。通常、1on1の質は上司のスキルやコミュニケーションスタイルに大きく依存しがちですが、構造化されたシートを活用すれば、カバーすべき項目や有効な問いかけを全社で統一できます。

テンプレートに以下のような項目を含めて配布すれば、新しく着任された上司でも質の高い1on1を実施できるようになるでしょう。

<1on1ミーティング シートに含む主な項目>

  • 健康状態・ウェルビーイング

  • 前回のアクションアイテムの進捗確認

  • 業務上の課題

  • 成長や学びに関する振り返り

  • 相互フィードバック

  • 次回までのアクションプラン

また、各セクションに効果的な質問例を記載すれば、対話の質がさらに高まります。

ただし、画一的に運用するのではなく、部下の個性や状況に応じた柔軟なカスタマイズを許容する設計にすることが重要です。

人事評価の際も活用できる

従来の人事評価は、評価者の主観や直近の印象に左右されやすく、長期的な成長や取り組みが見落とされがちです。一方、定期的な1on1で記録された業績、課題への取り組み、スキル向上の軌跡などは、評価の基盤として公平に評価できるでしょう。

たとえば、半期に一度の評価時に過去6ヶ月分のシートを参照すれば、部下がどのような目標に挑戦し、どのような成果や成長を遂げたかを具体的に把握できます。「リーダーシップを発揮したか」といった抽象的な評価項目に対しても、事実にもとづくエピソードを提示すれば、評価の納得感が高まります。

ただし、1on1ミーティング シートの本来の目的は、あくまで部下の成長支援にあります。人事評価への活用は副次的な効果であり、評価のための面談とならないよう配慮が必要です。

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1on1ミーティングシートを使う際に注意したい3つのデメリット

1on1ミーティングシートを活用する際は、以下のデメリットに注意しましょう。

<1on1ミーティングシートを使う際に注意したい3つのデメリット>

  • 記入に時間がかかり負担になるケースがある

  • 自然な対話がしづらくなる可能性がある

  • 記入が目的になる場合がある

1on1ミーティングシートは効果的なツールである一方で、使い方によっては本来の目的が達成できなくなる場合があります。

記入に時間がかかり負担になるケースがある

1on1ミーティングシートは、作成や記入に時間をかけすぎると本末転倒になるおそれがあります。質問項目が多すぎたり、複雑なフォーマットになっていたりすると、準備自体が大きな負担になりがちです。

多忙な業務の合間に1on1を行う現場では、詳細なシートの記入が余計な業務と感じられ、ミーティングへのモチベーションが下がる場合もあります。たとえば、エクセルで作成された1on1シートに20項目以上の質問が並ぶと、記入に30分以上かかるケースもあるでしょう。その時間は、本来であれば対話や内省に充てるべき貴重なリソースです。

こうした負担を減らすには、以下のような記載項目にして、記入形式は詳細な文章ではなく、キーワードや短いフレーズで済むように設計しましょう。

<1on1ミーティング シートの記載項目例>

  • アジェンダ

  • 前回の進捗

  • 今回の主要テーマ(2〜3点)

  • 次回のアクション

記入が簡潔になれば、上司・部下ともに準備の負担が減り、対話そのものに集中できます。

自然な対話がしづらくなる可能性がある

1on1ミーティング シートに頼りすぎると、会話が形式に沿いすぎてしまい、自然な対話の流れが損なわれる場合があります。構造があることで進行しやすくなる反面、シートに含まれていない話題や、その場で生まれる気づきを逃してしまう可能性にも注意が必要です。

たとえば、部下が最近の業務で感じている不安を口にしたとき、「それは後半で扱う内容だから」と話を打ち切ってしまうと、本音を引き出す貴重なタイミングを失ってしまいます。また、上司が次の質問項目に気を取られてしまい、部下の話を十分に傾聴できない場合もあります。

このような事態を避けるには、シートをあくまでガイドとして柔軟に扱うことが大切です。たとえエクセルで作成されたテンプレートがあっても、自然な対話の流れを優先し、重要なテーマが出たときは順序にこだわらず掘り下げる姿勢が求められます。

記入が目的になる場合がある

1on1ミーティングシートの記入が目的化してしまうと、内容の充実よりも記入の完了が重視され、形式的な運用になってしまうでしょう。

とくに、上司が多忙で十分な時間を取れない場合、1on1が単なる提出のためのタスクとして扱われる場合があります。たとえば、月末になって慌ててミーティングを実施したり、実際には会話がなかったにもかかわらず、帳尻合わせでシートだけが埋められるケースもあります。

また、記録内容が上層部のレビュー対象になると、無難な内容を並べるだけになりがちで、本来取り上げるべき課題や改善点が隠れてしまう可能性が高まるでしょう。

1on1ミーティングシートはあくまで対話と成長の支援ツールであるという認識を、組織全体で共有することが不可欠です。提出やチェックのために使うのではなく、部下の育成と信頼関係の構築に焦点を当てた文化の形成が求められます。

1on1ミーティングシートの具体的な書き方

効果的な1on1ミーティングシートを作成するには、シートに含める項目の取捨選択が重要です。ここでは、目的別にシートに含めるべき項目の例を紹介します。

運用しやすく目的を果たせるシートを作成するために、主な項目と具体的な書き方をチェックしていきましょう。

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目的別シートに含める基本項目

1on1ミーティングシートは、目的や部下の状況に応じて柔軟にカスタマイズする必要がありますが、どのシートにも共通して盛り込むべき以下の基本項目があります。

目的別の項目

内容

基本情報

・日時
・参加者名(上司・部下)

アジェンダ・主要テーマ

・今回話したいこと、今週の優先事項など
・部下が事前に記入する

前回のアクション確認

・前回決めた取り組みの確認
・取り組みの状況を振り返る

業務上の課題

・困っていること、サポートが必要な点など
・具体的な質問とともに記入する

成果・気づきの共有

・最近うまくいったこと、気づきや学びなど
・前向きな振り返りを促す

相互フィードバック

上司・部下の双方が率直な意見を交換する欄

決定事項・次回の取り組み

・今回の決定事項
・次回までの取り組みを明確に記録する

次回の予定

・次回の1on1ミーティング日程を確認する

エクセルで作成する場合は、これらの項目を見やすく整理し、記入しやすいフォーマットにするのがポイントです。シートの記入は原則として部下が主体となり、上司は事前に内容を確認すると、準備の効率が高まります。

業務についての基本項目

業務に特化した1on1ミーティングシートでは、以下のように部下の日常業務や目標達成に関連する項目を中心に構成しましょう。

項目

内容

今週・今月の優先業務

現在取り組んでいる主要タスクを明確にする欄

前回からの進捗状況

前回のミーティングで設定した課題や目標の進み具合を確認

現在の課題・障害

業務上の問題点を具体的に記載

チーム連携

他メンバーとの協働状況や、コミュニケーション上の課題を共有

今後の短期目標

次回までに達成したい成果を明確に設定する欄

エクセルでシートを作成する場合は、各セクションを色分けしたり、タブで分けたりすると視認性が向上します。

業務用の1on1シートでは、単なる報告に終始せず、問題解決や改善につながる建設的な会話を促す設計が求められます。また、記入の手間が負担にならないよう、シンプルかつ実用的なフォーマットを意識するのも大切です。

キャリアについての基本項目

キャリア開発に焦点を当てた1on1ミーティングシートは、部下の長期的な成長とキャリアプランの支援に役立ちます。以下の項目がおすすめです。

キャリアについての項目

内容

長期的なキャリア目標

・「将来的にどのような役割やポジションを目指していますか?」などの質問を設ける
・本人の志向を明確にする

現在のスキルと強み

・自己認識している得意分野やスキルを整理

成長したい領域・スキル

・今後取り組みたい課題を明確にする
・習得を目指すスキルを記載する

成長のための具体的なアクション

・研修参加や新たな業務への挑戦などを計画する
・スキルアップに向けた具体的な行動を設定する

キャリア実現の障害

・目標達成を妨げている要因を明確にする
・その対策や解決策を検討する

必要なサポート

・上司や組織に期待する支援内容を記入する

このようなキャリア特化型の1on1ミーティングシートは、通常の業務対話とは分けて、四半期ごとに実施すると中長期視点でのフォローがしやすくなります。また、部下が内省に十分な時間を確保できるよう、事前記入を前提とした設計にすることもポイントです。

なお、キャリア目標は時間とともに変化するため、前回からの変化や新たな気づきを記録する欄を設けると、継続的な対話がより深まります。

オープンクエスチョンを入れる

1on1ミーティングシートを作成する際は、以下のようなオープンクエスチョンを効果的に取り入れるのが重要です。単純に「はい」「いいえ」では答えられないため、部下の内省や対話を自然に促します。

質問例

効果

最近の業務でとくに充実感を得たことは何ですか?

業務への意欲や満足感の背景を深掘りできる

その課題にどのように対応しましたか?

課題解決の思考プロセスを引き出せる

今後同様の状況でどう改善できると思いますか?

自己改善や学びへの意識を高める

各セクションには、少なくともひとつのオープンクエスチョンを設けるのが効果的です。また、質問の順序にも工夫が必要で、はじめは話しやすい内容から入り、徐々に踏み込んだ問いへ移行することで、部下も自然と心を開きやすくなります。

エクセルでシートを作成する場合は、オープンクエスチョンの部分だけフォントや色を変えて目立たせると、視認性も高まり、活用しやすくなります。

エクセルで1on1ミーティングシートを作成する方法

エクセルを活用した以下の1on1ミーティングシートの作成方法について紹介します。エクセルシートの基本構成や自作するときに使えるカスタマイズがわかれば、効率的にミーティングシートを作成できるでしょう。

エクセルは多くの企業で導入されている身近なツールであり、カスタマイズ性が高く1on1ミーティングシートの作成に最適です。

エクセルシートの基本構成例

1on1ミーティング シートをエクセルで作成する際は、情報の整理と対話の促進を意識した構成が重要です。

セクション

内容・工夫

基本情報

・タイトル、日付、参加者名(上司/部下)をシート上部に配置

前回のフォローアップ

・前回決めた取り組みの進捗状況を確認

今回の主要トピック

・業務進捗、課題と障害、成果と学びなどの項目を設ける
・各セクションにオープンクエスチョンを2〜3問入れる

フィードバック交換

・上司と部下の相互フィードバックを記入する欄を設ける

次回までのアクションプラン

・「誰が」「何を」「いつまでに」を明確に記録
・次回の1on1につなげる

視認性を高めるために、各セクションは色分けや罫線で区切ると効果的です。記入欄は十分なスペースを確保しつつ、全体が1~2ページで収まるように設計すると使いやすくなります。

複数回の記録を残したい場合は、同じブック内に日付ごとのシートを作成するか、1シート内で列を日付単位に分ける方法がおすすめです。

自作するときに使えるカスタマイズの工夫

1on1ミーティング シートをエクセルで自作する際は、カスタマイズの工夫によって使いやすさと実用性が大きく向上します。

工夫・機能

内容

ドロップダウンリストの活用

優先度(高/中/低)、進捗状況(完了/進行中/未着手)などを選択式にし、記入を効率化

条件付き書式の設定

締切が近い項目や特定の状態を自動的に色分けし、視認性を向上

チェックボックスの挿入

タスクの完了状況を簡単に管理できるようにする

スパークライン・簡易グラフの活用

部下の成長や業務の変化を時系列で可視化

インデックスシートの作成

複数の部下のシートを管理しやすくするため、各シートへのハイパーリンクを設置

シート保護機能の活用

計算式や重要な項目を誤って編集・削除しないように設定

キャリアステージに応じたシートの調整も有効です。たとえば、新入社員にはスキル習得に関する質問を多く設け、中堅社員にはリーダーシップや目標管理に関する内容を重点的に配置するとよいでしょう。

シートは完成して終わりではなく、運用を通じて継続的に改善することが大切です。

1on1ミーティングシート運用のコツ

1on1ミーティングシートを効果的に運用するためのコツは、以下の3つです。

<1on1ミーティングシート運用のコツ>

  • 部下自身が記入する

  • 事前に上司と共有する

  • シートを上司が管理する

シートを作成しただけでは十分な効果は得られません。適切な運用方法を実践すれば、1on1ミーティングの質を高め、部下の成長と信頼関係構築を促進できます。

部下自身が記入する

1on1ミーティングシートは、部下が主体的に記入することが望ましいです。事前にシートへ記入することで、自分の考えや業務状況を整理する機会となり、自然と内省が深まります。

具体的には、以下の内容例を記入してもらいましょう。

<事前に部下が1on1ミーティングシートに記入する内容例>

  • 話し合いたいトピック

  • 前回からの進捗

  • 現在の課題や悩み

  • 成果・気づき・学び

部下が主に記入を担うと、1on1は評価の場ではなく、成長を支援する場という本来の位置づけが強まります。記入内容は、キーワードや短いフレーズでも十分です。大切なのは、形式的にならず、本質的な視点で簡潔に書くことです。

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事前に上司と共有する

部下が記入した1on1ミーティングシートは、実施前に上司と共有すると、対話の質が大きく向上します。理想的な共有タイミングは、ミーティングの1〜2日前です。これにより、上司は事前に部下の課題や相談内容を把握でき、限られた時間を有効に活用できます。

たとえば、部下が技術的な問題を挙げていれば、関連情報の収集や社内の適任者の紹介準備が可能になります。また、キャリアに関する相談が記入されていれば、成長機会や育成プログラムの最新情報を確認しておくこともできます。

効果的に共有するには、共有方法の簡素化がポイントです。エクセルシートをクラウドストレージで共有したり、社内のコラボレーションツールを活用したりすることで、情報のやり取りがスムーズになります。

あわせて、記入と共有のタイムラインを明確にすることも重要です。たとえば「ミーティングの24〜48時間前までに記入・提出」といったルールを設けることで、上司側の準備時間を確保できます。

シートを上司が管理する

1on1ミーティングシートは、記入は部下が行いますが、最終的な管理と保管は上司が担うのが効果的です。上司がシートを管理すると、部下の成長の軌跡を示す貴重な記録として活用できます。

継続的に蓄積されたシートは、単発の対話では見えにくい変化やパターンを可視化し、部下の成長を客観的に把握するための資料になります。さらに、記録された目標やフィードバックは、人事評価や昇進の検討において、主観に頼らない具体的な根拠として役立ちます。

シートを適切に管理するには、体系的な保存方法の整備が欠かせません。クラウド上にフォルダ構造を作成し、部下ごと・日付ごとに整理すると、必要な情報にすばやくアクセスできます。その際、ファイル名の命名ルールを統一しておくと管理が容易になります。

また、個人情報を含むため、アクセス権限の設定にも配慮が必要です。上司が複数のシートを俯瞰することで、共通する課題や傾向を把握し、チーム全体への改善策につなげることも可能です。

シートの管理目的や取り扱い方針は、事前に部下へ丁寧に伝えることが重要です。

1on1ミーティングシート活用を助けるおすすめツール

1on1ミーティングシートの作成・共有・管理する際に、活用をおすすめしたいツールは、以下の3つです。

<1on1ミーティングシート活用を助けるおすすめツール>

  • 1on1専用ツールを使う

  • コストをかけずエクセルやワードを使う

  • Googleドキュメントやチャットツールを使う

適切なツールを選ぶことで、1on1ミーティングの効率化や質の向上を図ることができます。

1on1専用ツールを使う

1on1ミーティングを効率的に運用したい企業には、専用ツールの活用が有効です。これらのツールは、ミーティングの実施管理から記録、フォローアップまで一貫してサポートする機能を備えています。

<ツールに備わっている主な1on1特化機能の例>

  • スケジューリング機能

  • リマインダー機能

  • テンプレートの管理・配布

  • ノートの記録・検索

  • アクションアイテムや目標の追跡

  • レポートの自動生成

  • 人事評価システムとの統合機能(※一部ツールで対応)

導入を検討する際は、組織の規模や予算、操作性、導入のしやすさを踏まえたうえで、必要な機能と優先度の低い機能を見極めることが重要です。

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コストをかけずエクセルやワードを使う

専用ツールの導入が難しい場合や、1on1ミーティングをはじめたばかりの組織では、エクセルやワードなど既存のオフィスツールを活用する方法が現実的かつ効果的です。多くの企業で導入済みのため、追加コストをかけずに運用できます。

作成時は、シンプルな構造を心がけることが大切です。過度な複雑さは運用の妨げになりやすいため避けましょう。あわせて、ファイル命名ルールの統一やクラウドストレージでの共有・バックアップ体制を整えるなど、管理面でも工夫が必要です。

Googleドキュメントやチャットツールを使う

オンライン中心のチームでは、クラウドベースのツールを活用する方法がおすすめです。メリットは、リアルタイムでの共同編集が可能な点です。上司と部下が同時に1on1ミーティングシートを更新できるため、常に最新の情報を共有でき、認識のズレも起こりにくくなります。以下に、クラウドベースのツールを紹介します。

ツール名

活用方法

Googleドキュメント

・共有フォルダ内に部下ごとのドキュメントを作成し、1on1の内容を時系列で記録
・コメント機能を使ってフィードバックや確認も可能

Slack

・部下ごとのプライベートチャンネルを作成し、継続的な1on1の場として活用
・リマインダーで準備を促し、スター機能で重要情報の整理も可能

Microsoft Teams

・カレンダーで1on1をスケジューリングし、OneNoteを使って構造的に記録
・会話と記録の一体化でスムーズな進行が可能

クラウドツールを導入する際のポイントは、チームがすでに日常的に使っているツールを選ぶことです。新たなツール導入による負担を避けつつ、1on1のプロセスを自然な業務の流れに組み込むことで、継続的な運用がしやすくなります。

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1on1ミーティングシートを活用して質向上を実現しよう

1on1ミーティングシートは、マネージャーと部下のコミュニケーションを効率化し、成長を支援するための重要なツールです。適切に活用すれば、対話の質が高まり、記録が残ることで部下の変化や成長を可視化できます。

シートを作成する際は、業務とキャリアに関する項目をバランスよく配置し、オープンクエスチョンを取り入れることが効果的です。一方で、記入が負担になったり、形だけの運用になったりしないよう注意が必要です。

エクセルなど身近なツールでも十分対応可能です。部下自身が記入し、事前に共有することで、より実りある1on1ミーティングにつながります。

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株式会社HRBrain 東本真樹
東本 真樹
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

2008年、デジタルマーケティングを支援する企業に入社。
企業ブランディングを活かしたマーケティング支援を経験した後、人事コンサルティング事業の立ち上げに参画。
主に300名未満の中小企業に向けた人事評価制度設計・運用支援・研修企画/実施を行う。

その後、1,000名規模の上場企業にて人事ポジションを経験し事業会社人事としての職務にも従事。

人事評価制度の運用、サーベイによる組織傾向分析、人材データベースの運用管理を経験。
現在は、HRBrainコンサルティング事業部にて組織人材コンサルタントとして活躍中。
人事評価制度の設計から定着に向けたコンサルティングまで各企業のフェーズに沿った支援を行っている。

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